C:3 美栄橋〜首里〜前島 | |
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『美栄橋駅』に行き当たったので、とくに行く宛ては無かったけれど、何となく再びゆいレールに乗ってどこかに移動してみようか、という気になった。とりあえず、終点の『首里駅』まで行ってみようか。 高架の上に在る駅舎に入り、ホームの上から周囲を見下ろしてみると、つくづく「なんだかんだ言っても那覇は都会だなぁ」と思う。街の規模云々というよりは、ゴチャゴチャとした街並みやビルの丈の凸凹具合、その統制の取れていない混沌さ加減がいかにも都会らしいような。計画的に造られた都市では無くて、人と時代の移り変わりをそのまま体現した場所としてそこに在る、みたいな。 ゆいレールの車輌に乗り込み、首里方面に向かう。車内はかなり混み合っていて、ちょっとしたラッシュのような感じになっていた。こうなってしまうと沖縄も東京も大して変わらない。ちょっとウンザリする。 『首里駅』に到着すると、空はすっかり晴れ渡っていた。青空が戻って来ると同時に、強い陽射しも再び照り付け出す。照り返しの眩しさでしかめっ面になりながら、僕は以前から気になっていた『あやぐ食堂』に行ってみることにした。 駅から『首里りうぼう』の方へと緩やかな上り坂を上り、上がり切った坂を今度は下って行く。と、すぐに食堂が目に入った。よし、それじゃさっそく店内へ…と思ったのだが、入り口から店内を見てビックリ。超満員じゃんか!もう昼飯時は少し過ぎていた(大体午後1時半過ぎぐらい)のだが、それにしても混んでいる。僕が呆気に捕らわれている間にも、次々と店に客がやって来る。家族連れ、工事現場の人たち、カップル、オジィオバァ… 「あい、ダメだぁ、いっぱいだ〜よ〜」 「お母さ〜ん、入れないよ〜」 「うわ、これじゃダメだねぇ」 「どうする?ちょっと待ってみる?」 次々に押し寄せるお客は、店内の混み具合を目にしてそのほとんどが諦(あきら)めて立ち去って行った。僕も仕方なくここで昼飯を食うのを諦めて、そのまま『首里駅』へ戻ることにした。…俺は一体、ここまで何しに来たの?って感じだけど、もともと首里城を見に来たわけでも無いし、金城の石畳を見るつもりもまったく無かったので、べつにイイかな、と。 ほんの10分ちょっとの滞在でさっさと首里を後にし、モノレールでまた『美栄橋駅』に引き返す。往路以上に車内は混んでいて、クーラーが効いているにも関わらず、少し汗ばむほどの乗客の過密度。おまけにこの路線って微妙にカーブしている箇所が多いので、手摺りや吊革に掴まれない人がバランスを崩してドド〜ッと倒れ掛かったりする。…ああ、電車に乗ってるんだな、というあまり嬉しくない実感。普段でさえ滅多に電車に乗らない僕にとって、首里〜美栄橋間のたったの10数分でさえもやや苦痛。時間があったら“ゆいレール・各駅停車の旅”でもしてみようかな、なんて思ったりもしたのだが、やっぱり性に合わないことはしないことにしよう。 |
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『美栄橋駅』。 沖映通りと久茂地川の交差するところに在ります。 国際通りまではちょっと歩くかな。 |
切符です。ここから『首里駅』までは260円。 沖縄の織物の柄がさりげなくあしらわれてる。 …ちょっと無駄な演出って気もするけど。 |
高いところから見下ろすと、 那覇の中心部はやっぱり都会チックだよなぁ。 心なしか空気もどんよりしてる感じ… |
で、『首里駅』に到着。 駅舎の看板も駅毎にデザインが違ってます。 う〜む、こだわってますねぇ。 |
レールがブチッと途切れてます。 果たしてこの先に伸びる日が来るのか? 経済の面からすれば頑張ってほしいところだけど… |
駅が出来れば当然生まれる“駅前”という概念。 早速こういうものが誕生しておりました。 駅前自転車はともかく、駅前宝水って…? |
首里に来たついでに寄ってみました。『あやぐ食堂』。 だがしかし!昼時とあって店内は超満員! 諦めて帰るお客も多数。僕も諦めました。 |
結局、那覇中心部に戻ることに… 丘の麓に整然と建ち並ぶ家並みを見ながら。 コントラストの濃さが沖縄っぽいと思うのは僕だけ? |
『美栄橋駅』から国道58号線の方向へ歩く。歩きながら「前島に行ってみよう」と思いついた。この前島の界隈も、以前からちょっと気になっていた場所だった。真栄原、栄町、コザの吉原などと同様、所謂非合法な性産業が存在する町、前島。こういった場所を見て歩くのが好きな僕としては(見て歩くだけですよ、ホントに)、とにかく一度は歩いてみたいと思っていた。 58号線を渡って泊港の『とまりん』を右手に見ながら、閑散とした歓楽街に入る。一見すると、ピンクサロン系の風俗店が目立つが、それほど非合法地帯独特の淫靡な感じは無い。が、確かにかなり怪しげな店もチョロチョロと見られる。看板もあるような無いような小さな店、ドアの前に椅子を置いてある店、僕のほうをじっと見ているおばさん…しかし、一昨年に行った栄町のような衝撃はまったく無い。通行人もほとんど居ない静まり返った前島の歓楽街は、何となくゴーストタウンを彷彿とさせた。まぁ、夜はきっとまた違う雰囲気なんだろうが。 ついでに『とまりん』にも立ち寄って、暫(しば)しクーラーに当たって涼んだ後、また沖映通りを経て国際通りに戻ることにした。 丁度陽射しが一番強い時間帯なのだろう。少し歩いただけで汗はダラダラ、頭はクラクラ、足はフラフラ…ってちょっと大袈裟だが、とにかく普通に歩いているのとは比べものにならないぐらいに、激しく体力を消耗する。「暑いのは全然平気!」などと強気の僕だったが、さすがにこの日の暑さは手強かった。この頃の東京は冷夏で涼しい日が続いていたせいか、体が沖縄の暑さと陽射しにすっかり参ってしまっていた。 一旦、チェックインがてらホテルに行くことにしよう。予約しておいた『那覇グランドホテル』へ向かい、部屋でシャワーを浴びてベッドに横になってテレビを見ていたら、いつの間にかウトウトと眠ってしまい、ふと目が覚めると午後5時を回っていた。 |
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どうも沖縄というとペプシのイメージが強い。 こういう壁に直描きの看板もよく見かけるし。 コカコーラの看板よりも多いような気がする。 |
『那覇ミュージック』。ヌードシアター。 内部がどうなってるのか非常に興味があるなぁ。 べつに裸体が見たいわけじゃ無いんだけどさ。 |
『とまりん』の在る前島の界隈。 ここも真栄原や栄町などと同じく、怪しい一帯です。 赤線とか青線とか、そういう類の、ね。 |
ハッスルサロン…かぐや姫… お客がハッスルするのか、かぐや姫がハッスルするのか。 いずれにせよ「ハッスル」っていうのが… |
看護サロン…ナイチンゲール… 看護サロンって?看護婦コスプレ?病人限定? 蝶々に十字架のロゴが素敵ですね。 |
『とまりん』です。離島に行く定期船の発着所。 僕はまだ一度も利用したことがありません。 実は中に入ったのも今回がはじめて(^_^;) |
すっかり晴れました。 久茂地川にもしっかり映り込んでます。 …あんまり綺麗な川じゃないですけどね。 |
木造の塀とトタンの塀。割と珍しい取り合わせかと。 沖縄というより20年ぐらい前の下町風な光景。 チャルメラの音とかが聞こえてきそうな。 |
沖映通り。 『沖映』という演芸場があったのがその由来とか。 今は影も形もありゃしませんが。 |
那覇タワーMAXYがCOM*Dになるらしい。 街は時代と共に変わっていくものなんだな、と痛感。 少々寂しい気もしますけれども。 |
でも、変わっていくものと残っていくものが混在している、 そんな那覇の街が僕は好きだったりします。 この混沌さ加減がムチャクチャ心地良し。 |
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